槍ヶ岳 北鎌尾根 DAY2

北鎌尾根2日目。
2021/8/24 AM4:00

昨晩はアドレナリンが出まくっていたのか交感神経優位の状態でとても眠りの浅い夜でした。
どんな状況でもリラックスできる環境づくりをできないと疲れが溜まっていく一方なので反省。

テントに叩きつける風の音と振動、明日体験するであろうスリルのある岩登りのイメージなど色々緊張することが多い夜だった。

目の前にある北鎌独標はガスがかかったり晴れたりを繰り返している。
天気はなんとか夜まで持ちそうだ。

 

早速朝食の準備に取り掛かるがイマイチ食欲が湧かない。
それでも食べないと後半の踏ん張りどころで元気がなくなるので、
ZIPロックに入れ替えたバリバリに砕いた日清どんべいを取り出し湯を注ぐ。
出汁が身体に染みてあったかい。
消化のいい物って大切だな。

 

さて本日の行程。
独標手前のP9あたりから槍ヶ岳まで直線距離で2kmほど。
しかしこの2kmを侮るなかれ。

 

なんせいきなりの独標はトラバースせずに直登を選択するHaru氏なのだ!
グレードはⅢ〜Ⅳですが本日アルパインデビューの我々としては緊張度MAX!

赤の点線は実際に攀じたルート。
普通は千丈沢側をトラバースみたいです。

 

 

AM5:30 行動開始。

 

 

 

 

 

※赤の点線は登攀ルート。

不安定な根っ子の上を歩いてまずは取り付きまで。
アンカーを構築してセルフビレイ。

 

 

ここでの写真が全くないのはギアのセッティングで余裕がないということです笑

そりゃ命優先なのでそうなりますよね。

 

第1ピッチHARU氏リードで私がフォローに。

 

出だしから壁に生えてる木をガシッと掴んでモンキークライム的な野性味溢れるパワフルなクライミングでスタート。

 

なんなく終了点に辿り着きセカンドは私の番。
ぺツルのマイクロトラクションを駆使して登攀開始。
フォールした時にしっかりブレーキが効くことを確認して登り出す。

 

高度感はあるが難しい感じはなかった。
ただフリーで行く気はしないが。。。

 

ラストOka氏の登攀時に撮影ができた。

残置スリングを回収しながら登るOka氏。

 

独標手前まで3ピッチでいきました。

 

 

 

 

高度感サイコー。

 

 

 

 

 

 

 

 

3ピッチ目終了点にて。
ここまできて安堵の表情が伺える一瞬。

 

 

 

AM8:00 独標手前ハイマツの中を進む。

 

 

 

独標を越えてからはアップダウン、トラバースが多くルートファインディング必須。踏み跡を追いがちですが、基本尾根を外さずに行けば問題ないかと。

 

 

 

 

 

 

 

足元ザレザレ。

 

 

3点支持を確実に実践していれば問題なし。

 

 

西鎌尾根方面。

 

 

 

時よりガスは発生しているが雨は降っていない。

 

 

 

北鎌尾根からだと小槍がよく見える。

 

 

 


うん!頑張る!

 

 

 

PM12:30 北鎌平。
独標の直登、トラバースのルーファイミスからの復帰に結構時間がかかってしまった。

この時点で登頂してからの小槍に行けるかどうかが微妙に、、、
行けて小槍のみチャレンジか。

 

 

自分の生前に設置された看板を見るだけでなんか勇気をもらえる。

 

 

 

ラスボス、チムニーの手前も直登。

 

 

 

ラストのチムニー到着!

 

 

 

フリーでも行けそうだが、無理せず確実な方法で。

 

 

 

 

次にセカンドで自分の番。
なんなく登れてラスト頂上直下も直登ルートで登りたかったが岩が脆く下に登山者の方もいたので無理せず巻いて登頂。

 

 

 

 

ラスボスをクリアしたOka氏。ええ顔してます。

 

 

 

あと少し!

 

 

 

歓喜の一瞬。

 

 

 

 

PM15:20 槍ヶ岳山頂。
北鎌尾根、無事終了。
時間的に小槍は断念する結果になりましたが、内容の濃い山行でした。
気が抜けないルートではありますが、バリエーションを目指す人はぜひチャレンジを。

 

 

 

PM16:00 下山開始。
飛騨乗越より飛騨沢へ。
雷鳥の親子が見送りに来てくれた。

 

 

ちょうどこの辺りから雨が降り出す。
今回の山行は立ち上がりと終わりで雨が降り、核心部は晴れといういつもの逆パターンだったので不思議な気分だった。

 

沢の増水も気になったが、新穂高までのCT6時間を55%で下って19:00過ぎにゴール。

営業している温泉を見つけるのに苦労したが帰りの道中に高山に寄って温泉で身体を癒し、ラーメン食べて帰路へ。
怒涛の2日間。
共に過ごしたメンバーに最大の賛辞と感謝を!

 

 

 

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槍ヶ岳 北鎌尾根 DAY1

2020年の8月に予定していた槍ヶ岳・北鎌尾根。

初バリエーションということでロープワークやギアの使用方法など覚えることは山ほどあったが天候不順のため敢えなく延期に・・・

 

そして2021年8月。
再びチャンスが巡ってきた。

 

ただし日程は予備日入れて2泊3日。
実質的には1泊2日の結構ハードな行程なのだ。

 

出発は日曜日の店舗営業終了後の21:00。
月曜日の新穂高温泉4:10にタクシーを予約して上高地に送迎してもらう予定。

 

現地には2:00前には到着していたので軽く仮眠。
月曜日は行動時間が長い分、ここでしっかり寝れるかがポイントになる。

 

3:30に目覚ましかけて、朝食を食べながら準備をと思っていたが誰1人起きる事なくタクシーが到着、、、汗

 

慌てて起き出して準備が始まる。こういう時はだいたい何かを忘れる恐れがあるので一つづつ確認しながらパッキング。

 

運転手さんに車内で朝食を食べていいか許可をもらって乗車。
この時点でパラっと雨が降り出す。
車内では運転手さんと今回の行程の話や天候の話などで盛り上がる。
釜トンネルのゲートが開くのはAM5:00でその15分前には到着していた。

 

しばらく待って5:00にゲートが開いていよいよ上高地へ。

天候は回復というよりかはむしろ悪化、、、
途中で雨は止む予報だったので気にはしていませんでした。
現場はこんなんですが・・・

 

 

といって小康状態になるのを待つわけでもなく本日の目標地点へ向けて5:30に出発。※目的地は北鎌尾根、独標手前の天狗の腰掛け付近。


初日の距離、獲得標高は上記の通り。
行動時間は約13時間かかっています。

 

まずは横尾までの平坦なルートを行く。

7:40横尾
2時間くらいで来れた。
後半の登り返しの時間に余裕を持つとなるとここでしっかり時間短縮することが必須。

 

 

そして雨が止んだ。
3人がそれぞれ違う雨雲予報をチェックしてあーだこーだの情報交換は正確だったみたいだ笑

 

 

8:50槍沢ロッジ

ここでもしっかり時間短縮できた。

 

 

小屋スタッフの方に差し入れいただきました!
ありがとうございます!

 

 

10:00乗越沢分岐

ここまで良いペース。
ここから水俣乗越まで一気に登る。

 

メンバー3人とも少々眠いが天候が回復したことで元気度アップ⤴️
やっぱり景色が良いと気分もあがる。

11:00水俣乗越
途中 oka Mountainさんにロープを持ってもらう。(お互い協力して担ぐ作戦)

 

 

ここまでは一般登山道で問題なしでしたがここからバリエーションのはじまりなので再度集中して準備。行動食を食べてお腹を満たし、ハーネスやヘルメットを装着する。

 

ここから北鎌尾根を左手に眺めながら天上沢を下っていく。

乗越直下の斜度が急なのでそこを越せばあとは九十九折で道が付いていた。

 

ひたすら下る。

 

 

左手に北鎌尾根を眺めながら下るので景色は最高だ。

 

 

さらに下る。
次の分岐点となるのが北鎌沢への入り口。
標高で言うと約1,800m付近。

 

13:30北鎌沢出合
ようやく到着。足元が悪いので気を使いながらゆっくりと。
ここでタイムスケジュールより30分遅れる。

 

「水美味い!」とハルヒ氏。

 

天上沢は水飲み放題。
明日は稜線での水補給はできないのでどの辺で水を汲むかの判断も重要ポイント。
それぞれMax4ℓは入る容器を持参してきた。ここまでは1.5ℓくらいの消費。

 

1時間の休憩のあと、いよいよ本日の核心部分へ。

スタートから簡単な沢登りといった感じ。
途中左俣の分岐があるが右俣を直登。
ここを間違うと通称”北鎌ホイホイ”の餌食になる。
※実際は分岐が多いので全てにおいてルーファイは必須。

 

なかなかの急登に写真を撮る余裕もないが後ろを見渡せば東鎌尾根の絶景が広がる。

 

途中まで行けばコルを目印にしてあとはひたすら登るだけ。
道中草むらで滑落(少し)があったが大事には至らず。

 

流石の急登でした!

 

 

 

 

16:30北鎌のコル
ゼーハーゼーハーで何とか登りきりました。
上部まで水は出ていたので2/3地点くらいで給水しました。

 

 

 

 

17:00休憩を終えて出発。
本日の寝床まであとすこし。

 

尾根上は狭かったりするが、特にルートミスすることなく進めた。

 

途中景色の良い場所に抜けたのでしばし撮影会。

さすがプロカメラマン!
撮影してる時のオーラがハンパねぇw

 

 

 

 

手前が硫黄岳の稜線。
奥が水晶岳方面。
素晴らしい景色が広がっていました。

 

 

 

17:50 北鎌独標を視界にとらえた!
本日のゴールは目前。

 

 

今日の行程を振り返りながら歩く。
テント場まであと少し。

 

 

 

18:00 夕陽に導かれるように進む。

 

 

18:30 天狗の腰掛け付近到着。

ここで1日目が終了。
メンバーで記念撮影といきたい所だが、風もまぁまぁ強いし、暗いし、
各自休む暇もなくテントの設営スタート。(要は早く風を防ぎたい)

私はクロスオーバードームF(2G)
狭い稜線でも難なく張ることができた。飛ばされることがないようにスリングを木に結んでカラビナで固定。

 

 

その後、ファイントラックのツェルトに集合して皆でお酒で乾杯。
つまみやアルファ米を食べながら今日の振り返り。

 

 

1日でここまで来るのは大変でしたが目標通りの行程。
身体へのダメージは大きかったように思う。
寝不足もあったと思うが無理せず一般的な2泊3日の行程で計画するのをお勧めしたいと思います。

 

宴会後、テントに戻りすぐに濡れた靴を脱ぎ靴下を交換。
靴はインソールを出して飛ばされないようにしつつ風で乾かす作戦。

 

テント内では少し足の寒さを感じたのでテムレスを履くと一瞬であったまった。

 

テントに叩きつけるバサバサ、ビュービュー鳴る風の音を聞きながら就寝。
明日は4時起きの5時出発予定。
起きれるのか俺?w

 

 

 

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