世界遺産「熊野参詣道」。紀伊路、小辺路、中辺路、大辺路、伊勢路、そして大峯奥駈道と熊野三山を目指すルートがたくさんある中で今回歩いた台高山脈は何故入っていないのか?ちょっと気になっていた。
以前、東北東に位置する台高山脈の一部である三峰山から高見山の稜線を歩いたが、アップダウンがとてもきつく苦戦した思い出がある。ルート上にはいくつもの峠があり、昔の人が歩いた名残が残っていた。
今回は高見山から大台ケ原。そして尾鷲道で海へ抜けるSummit to Seaだ。
いつかは歩きたいと思っていたので、今回願いが叶って改めて良かったと思う。
装備はファストパッキングでまとめ総重量が約10kg。※食料・水分で約3kg
今回は気温も低いと判断して11月開催のOMMのレギュレーションで対応しました。そこに食料が3日分と安定した水場の予測が立たないため水分2.5リットルでスタート。初日が夜から明け方にかけて雨予報。2日目、3日目が天候回復する予報でした。
5/31(木)0:30 たかすみ温泉駐車場スタート。
今回は@sakaaamoさんとご一緒ということもあり、スピードハイクで全行程を1泊2日の段取りで挑みました。
2:00 高見山避難小屋。
800mを一気に登るバーティカル。お互いに調子良くまずまずの立ち上がり。高見山は冬場の樹氷が有名な山。毎年登っているがこの時期は久しぶりでブナ林の良い雰囲気を感じながらのナイトハイクでした。
早々に山頂をあとにして次の目標地点である明神平を目指して出発。
距離にして9kmほどなので順調にいけると思ったが結構なアップダウンでスピードは上がらない。
北部台高縦走路。
3:10雲ヶ瀬山。
手ブレひどい。雲の流れがとても早い。
4:40 伊勢辻山。明るくなってきた。
明神平までのトレイルは明確で歩きやすい。
5:30 国見山。
5時間経過して距離は12kmくらい。スタート地点から累積標高がD+2000近かったので改めてハードだと実感している図。
5:50水無山。
7:40 明神平!
ガスッガスでしたがそれはそれで神秘的な雰囲気。
ここまで誰一人出逢わず。※結局大台ヶ原まで誰にも出逢わなかった。。。
明神谷に下ると豊富な水場あり。
ここで3リットル全補給。一応ソーヤーで浄水してます。
お互い少し眠いもののまだまだ体は動くので前に進むことに。
この辺りで打ち合わせをして本日のテン場を地池越辺りに設定。
千石山を下った東側にテント場・水場あり。
ヒメシャラブッシュ!家の庭に植えたやつ!
ヤブの中を突き進む。印のあるヤブとないヤブの区間があって大変。
ここで昼ごはんを食べたのですが、野生の動物が落っことしていったノミの大群に脚を襲撃されまして・・・
ブヨ、ヒル、ダニ、何にせよ人があまり入らない山域はロングパンツ穿きましょう!ちょっとはマシです。
15:00 馬ノ鞍峰。
17:30 テン場着。
DAY1
17時間行動
距離 34km
獲得高度 D+3,400m
たかすみ温泉から池木屋山までは目印、踏み跡がしっかりついており迷う心配なし。池木屋山以降は急激なアップダウンが続きリズム良く歩けない。最大の問題はヤブ。ヒメシャラブッシュと思われる背丈が高いのは枝をすり抜けて行けたが腰の高さの木が厄介でショートパンツだと脚がキズだらけになります。
テントを設営して18:00頃一旦横になると寝てしまい、20:00に目覚めて夜食を摂る。ビバーグレーションは水分をあまり使わず済むのでとても便利。塩気がもっと欲しいときは塩こん部長が◯。夜間、結構な暴風雨だったようですが眠すぎて3:00起床の目覚ましが鳴るまでしっかり睡眠できました。
DAY2
3:00起床、4:00出発。
雨は小雨程度で回復の兆しあり。
身体は少々重たく疲れが残った感じ。
昨晩は水を確保できず終了したので水の心配が残るスタート。
@sakaaamoさんは残り500mlで自分は1リットル。
P1082の鞍部に雨量観測所があり、その脇に川が流れている情報を得ていたのでそこまで4時間のガマン。
あっ!
ここを下った所で気づく・・・
逆走してる!
6:18 山ノ神ノ頭 再び・・・
2時間のロス。山頂から読図をせずにテープを見て下ってしまう。ぐるっと回って元来たトレイルに逆走を始める失態。行きと帰りでは景色が全く違うことにも気づいていなかった。注意散漫になっていたのは確かなので猛省した。@sakaaamoさんゴメン!
湯谷ノ頭→P1125から広い尾根をロープを目印に下ると雨量観測所が見えた!
ちょうどP1082の鞍部にあり、観測所裏には豊富な川が流れておりばっちり補給することができました。水とテン場がセットになった最高の場所。
8:44父ヶ谷の高
10:10 杉又高
アップダウン、ブッシュ、ルートファインディングの繰り返しに自然と身体と精神のバランスが良くなってテンションが上がる。
本来であれば2日で尾鷲まで行く予定で考えていたが、次の日のご来光を山から見ようということに。
そう!山は楽しい!
10:37振子辻
引水サコ東側に水場確認。
12:10御座嵓
三津河落山が見えた。今回歩いてきて一番眺望が良かった所。
12:42添谷山
大台ヶ原に近づくにつれて広々と雄大な道に変わる。とても気持ちの良いハイキングだ。
13:44大台辻。
ここで上りが終わったと勘違い。
コブシ峠までの筏場道はしっかり登ってますw
16:50 大台ヶ原到着!
売店or食堂で腹ごしらえの期待をしていたが・・・・閉店してる。残念・・・
取り敢えずコーラで乾杯。
ゆっくりしたかったが国立公園内は自炊もキャンプも禁止なので足早に尾鷲道に入ることにしました。
トイレの水を浄水しましたが、中道ルート沿いに水場は豊富にありました。
中道を通り尾鷲辻へ。
尾鷲道には2017年8月頃に設置されたオレンジのテープが素晴らしい間隔で付けてあるので迷う心配はなし。
18:40 堂倉山の鞍部にベストなテン場適地アリ。
近くに動物の観測装置みたいなのがありました。
DAY2
14時間行動
距離 23km
獲得高度 D+1950m
累積標高自体はそんなにないがアップダウンが急過ぎて思った以上に進まない感じ。逆走がなければ2時間早く終わっていたが・・・
2日で終わらせる事ができず残念ではあるが、次の日のご来光に期待を込めつつ就寝。今回は持参したトリスのハニーウイスキーが◯身体は温まるしすぐ眠れた。月と星がキレイな夜だった。
DAY3
3:00起床、4:00出発。
期待通りの快晴。
4:18白サコ
看板とテープでルートは明瞭。
もうすぐ日の出。
P1414からいいタイミングでご来光を拝めました!
雷峠~コブシ嶺
この辺りはとても開けていて気持ちの良い稜線歩きができます。
雲海。
奥の稜線が大峯奥駈道。
尾鷲方面。
フカフカ度がハンパねぇ。
落ち葉の中の根っ子につまずきました。
7:00 新木組峠
時間がある方は尾根歩きで山頂を目指しながらがおすすめです。
ほぼ巻道なのと基本下りなので(※登りもある)歩きやすいトレイルをあーだこーだ言いながら進みました。
7:35 又口辻
今回はクラシックルートで下山したかったので尾鷲道から古和谷林道へ。
整備されたルートだと地蔵峠~橡山林道が良いと思います。
八ヶ岳を感じさせる見事な苔っぷり!
なかなか気を使う下山でした。
橡山林道と古和谷林道の分岐より崩落箇所多くテープ不明瞭。足場も悪いので尾鷲道の中では一番の核心かもw
チョクマガで記念撮影。
尾鷲までの林道の長いこと。
10:30クチスボダム。
坂下トンネル。
業者のトラックが通ると轢かれそうになるので気をつけて!
これにて終了。最後は海をバックに写真を撮りたかったけどいいタイミングで電車が来たので諦めました。
結果的には大台ヶ原の駐車場で出会った人以外誰一人出逢わなかった。
大峯奥駈道と比較するとダントツで台高山脈のほうがハードでした。
それでも残された自然はそのままで昔から変わっていないトレイルや景色を見ながら歩けたことは感慨深い。難易度は高くてもチャレンジした人には最高のモノを見せてくる台高山脈縦走おすすめします!
@sakaaamoさん3日間ありがとうございました!
DAY3
行動時間 8時間
距離 23.8km
獲得高度 D+820m
3日間トータル
行動時間 39時間
距離 81km
獲得高度 D+6170m
Yosemite 147-3 Kuzumoto-Cho Kashihara-City Nara Japan 634-0007
Tel:0744-23-4730
Open:11:00~20:00
Close:Wednesday